介護の現場でお金がなくなったけど・・・
今日は宝探しをしたんだけど、見事失敗に終わった。
お金が無くなったと言うキヨさん。
最近何度か訴えがあり不穏な様子なので、今日は動こうとゆうことになった。
キヨさんが仲良しおばあさん達と散歩へ出掛けられた間に、私は家捜しをすることになった。
家族に連絡をして了承を得ているとはいえ、人の部屋を物色するのは気持ちのいいものではない。
でも今はお金を見つけることが一番大事なことだからと自分に言い聞かせ、合鍵を使い泥棒の気分でお部屋へ入った。
となりのおばあさんに見られようものなら「あのさんが勝手にゴソゴソしちょーなったよ」と言われかねないので慎重に突入。
ありがちなカバンや引き出しベッドまわり、棚の上から畳の裏まで埃にまみれて探したにもかかわらず、お宝は発見できなかった。
もしかして財布に入れて出掛けられたのかなぁ?それしか考えられない。
しばらくするとキヨさんが満面の笑みで帰ってこられた。
お出掛けが殊の外楽しかった様子。
付き添っていたヘルパーさんに「見つかったぁ?」と小声で聞かれ「無かったです。財布に入れておられたんじゃないです?」
「財布ぅ〜?キヨさん手ぶらで出られたよ」
「ええーっ?」泥棒のマネ事までしたのに無駄だったか…。
一旦部屋に帰ったキヨさんが事務所へやってきた。
「あのぉ、コレ、さっき立て替えてもらった買い物のお金です」封筒からお金を出してヘルパーさんに渡している。ナニぃーっ??
そう、お宝はちゃんとお部屋のどこかに、きちんと封筒に入れて大事にしまってあったんだ。
「無くなった」と訴えはあるけど、キヨさんはお宝の隠し場所をちゃんとわかってたんだぁ。
介護の現場ではよくある話だけど、お年寄りのお宝を隠す業はやっぱりスゴイ!キヨさん、スゴイ!完敗しました。
犬がお気に入りのボールや餌をせっせと穴の中にしまって、アレレってわからなくなっちゃう、なんかアレに似てるかも。