自分らしく介護

今日は私の誕生日。
二十代もあと一年かぁ…恐ろしい。
もう立派なおばさんになっちゃったなぁ。人のこと、おばさんおばさんって言ってられなくなってきたよぉ。

今日は半日勤務。朝はゆっくり寝て、昼からの仕事だった。
昨日のことがあってミイさんには会いづらいなぁと思いながら仕事に入った。
午後だからすぐに入浴介助。
タカミさんのお部屋に声をかけに行くとベッドでお昼寝中だった。
眠そうな顔で「あらぁアンタ、声かけてごしたかねぇ、ありがとう」二人で着替えの用意をする。
タカミさんはお洒落な服をたくさん持っておられて、お風呂となるとクローゼットから何枚も服を出し「これがいいかね？」
「こんなのもあるよ？」とファッションショーが始まる。
素敵なワンピースがあったので「コレが素敵だよ、涼しそうだし。今日はコレにされたら？」と言うと「素敵かね？ほんならコレにするわ」今日は一発で決まった。
「アンタは若くてキレイだねー。私みたいなもんでも若いときはいまよりキレイだったよ。いまはキタナイおばばだけど」エレベーターの中で鏡に映る自分と私を見て言われた。
タカミさんは小さくて可愛いおばあちゃん。
肌もめちゃめちゃキレイで、たぶん私よりつるっつる。
いつも羨ましくなる。
だから「タカミさんすごくキレイだよー。いつもお洒落だし肌が白くてキレイ。キタナイおばばじゃないよ」そう言うと「なに言っちょーかね」と照れながらすごく嬉しそうに笑われた。
女性の入浴介助のときは、こうやって女同士の会話ができてすごく楽しい。
おばあちゃんになったみなさんだけど、いまでも女としてキラキラしてる姿が美しい。
シワとかシミとかって関係ないんだなぁ。
いくつになっても女を捨てずに意識していれば、いつまでも可愛くキレイでいれるんだなぁと思う。

ミイさんからのコールがあって、入浴の合間にトイレ介助。
ドキドキしながら行ったけどいつもと変わらないリアクションだった。
一緒にいたヘルパーさんが「このおねーさん、今日誕生日だって」とミイさん話すと「ほんと？おめでとう！」と大きな声で言ってくれて、パチパチと動かしにくそうに手をたたいてくれた。
「ミイさんありがとー！」ウレシー、ホントに感動した。
ミイさんの満面の笑みで昨日のもやもやも振っ切れた。
気持ちがピシっとなった。

最後にヘルパーさんが耳元で「二十歳になったらしいよ」と冗談を言うと「あらぁ、若いねー！」と目をまんまるにして驚かれた。
そりゃムリがあるっつーの。
三十路まであと一年なんだから。
でもミイさん、本気にしてくれてありがとう。

今日は彼氏が迎えに来てくれた。
平日にもかかわらずムリをして会いにきてくれたから感激。
仕事しんどいはずなのに、ほんっと優しいなぁ。
なんかスゴイ、幸せを実感した。
やっぱこの彼氏の存在が、私のパワーの源なんだよなぁ。
今日は利用者さんや家族や友達からの「おめでとう」と、彼氏との時間でめちゃめちゃ元気になった。
明日からもがんばるぞー！