介護ヘルパーの仕事で頼られるのって嬉しいもんだ!
私の大好きな主婦ヘルパーのユウさんが辞められるまで後数日。
最近おばさんヘルパーたちはユウさん退職の話題でもちきり。
「主任が嫌で辞めるらしいよ」
「利用者さんとうまくやっていけんらしいよ」と根も葉もない噂話を陰で勝手に流していて、ユウさんはその噂話が耳に入るだび「なんで?どこでそんな話になるの?私はサラっと辞めたいのに…」とトイレで泣いておられた。
自分が辞めることでまわりがゴタゴタすることや、ありえない話を流してまわられることが悲しくてしょうがないみたい。
ユウさんは本当に純粋で可愛くて優しい人。
「ヘルパーさんってコワイ人が多いんだね、信じられナイ…」こないだもポロっとこぼしておられた。
こんな人を悲しませるババアどもが憎ったらしくてしょうがない。
しまいには私に「あのさんが辞めるホントの理由知ってる?」と聞いてくる始末。
知ってるけど話すわけないじゃん。
私はユウさんを悲しませたくないもん。
「いやぁ、私知らないんすよぉ」と答えるとおばさんは揃って「ちぇっ」とゆうリアクション。
要はおもしろがってるだけなんだよなぁ。
はぁ〜切ない。
だけど後少し。ユウさんが笑って辞めれるように楽しく仕事をしたい。
今日は新しい入居者さんがいた。
脳梗塞の後遺症があるミイさん。
意欲がないことから車椅子生活になっているみたい。
様子を伺ってたけど表情に変化もあまりなく、神経質な感じがした。
入られる前病院からのサマリーを読んでも、難しい人(手のかかる人)だろーねぇとスタッフと話してた。
初めてトイレ介助をすると動きがすごく悪くてビックリした。
もう少し足が動きそうなのに、動かそうとされない。
私も恐る恐る探りながら介助をしてるのでなかなかうまくいかない。
「難しいねぇ」消えそうな声で言われた。
てっきり、ミイさんにとって移乗が難しいのかなぁと思っていた。
二回目のトイレ介助。
さっきの失敗から車椅子を置く角度を変えてトイレへ移乗。
お互いさっきよりラクにできた。
ヨシ、コツを掴んだぞって密かに喜んでいるとミイさんが「慣れたね」ニコっと笑われた。
そっか、さっきのは私へのコメントだったんだぁ。
なんかオモシロイ。
ミイさんを少しだけ知れた気がした。
「今日はアンタが担当?」
「私もだし、ほかにも職員がいますよ」
「ふぅーん…」ミイさんはトイレ介助をした私に、今日の自分の担当をしてほしそうだった。
夕食のときも私をジーっと見つめ、目が合うと手招きで呼ばれた。
「薬は?」とか「(ごはん)もう終わった」とか「歯磨きがしたい」と何度も。
こんなふうに頼られるのはやっぱり嬉しい。
今日来たばかりのミイさんは、まわりが知らない人だらけ。
少ししか関わってない私でも、いまは一番身近なんだろーな。
最後に「ごめんねぇ」と笑顔で言ってくださった。
明日からもっとミイさんを知っていきたいと思った。
ミイさんのこの笑顔をみんなに見せてあげたいし、笑顔がいっぱいになればいまより意欲が出てくるかも。
生きていく意欲がないのはすごく寂しくて孤独だと思うから。
そういえば今日、キクエさんから強烈なひとことを聞かせてもらった。
夕方私が「今日も一日終わりましたねー」と言ったとき「死ぬ日にまた一日近づいたねぇ」…スゴイ!
やっぱり一世紀近く生きてこられた方の言葉は違う。
私では思いつかない考えもしないところを生きておられるんだなぁと思った。
もうすぐ29才の私には「死ぬ日」がずっと遠くにあるけど、キクエさんにとってはすぐ近いとこにあるモノなんだなぁ。
当たり前なことだけど、すごく勉強になった。
キクエさんありがとう。キクエさんの「死ぬ日」がまだまだ遠くにありますよーに。