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最新記事【2006年11月29日】

夜勤はしんどいものだと思う。
何がしんどいかって、精神的にしんどい。

前の職場では夜勤は一人だったから、自分と戦う時間が多かった。
逃げ場がなかった。
ひと晩中徘徊され、声をかけようものなら怒鳴ったり叩いたりされるかた。
片手に枕、もう片方に布団を持ちズルズルと引きずりながら玄関へ。
そして帰る帰ると鍵を開けようとされるかた。
お部屋や廊下、階段といたるところに放尿されるかた。
その片付けをしながら泣いたこともある。
なんでこんなことまでしてるのに怒鳴られるのか、何がしたいのか、なんで寝てくれないのか、どこへ行きたいのか、なんで私は優しくなれないのか…。
悔しさと怒りと情けなさと虚しさとで、自分が自分でなくなるのを感じたりした。

高齢者虐待のニュースを聞いたりすると、他人事じゃないよねぇ限界を感じるときがあるもんねぇ、とスタッフ間では「明日は我が身」だとよく話していた。
こんなときもう一人スタッフがいればこの限界を二人で分け合い、ストレスを吐き出し反省し、どれだけ穏やかに仕事ができるだろーか。
そんなふうに思ったりもした。

だけどそんな状態になるには私にも大きな原因がある。
利用者さんと接しているとそれがモロにわかってしまう。
私が穏やかにいれば利用者さんは静かな夜を迎えられる。
徘徊や放尿があっても、私がどっしりとゆったりと構えていれば大惨事になることはない。
要は私が利用者さんの不安な気持ちに拍車を掛けているだけだったりする。

だから大惨事の夜を越えた朝は、もう私なんかに介護はできないと、暗い悲しい後悔でいっぱいになる。
だって私のせいで最悪な夜にしてしまったんだから。
ってことは最悪な朝になるわけだから、大切な一日のスタートを台無しにしてしまったことになる。
だから結局、気持ちをリセットすればなんてことはない。
ただ利用者さんは便秘や不眠や昼間の対応や混乱のせいで不穏な夜を迎えただけで、その不穏の理由を考えて、それに対応すればいいこと。
なんてことはない。
いつも穏やかに一定でいればいいだけなんだけど…なかなかできなかった。

いまの職場では夜勤が二人。
これが別の意味で精神的に辛いってことを思い知った。
相方とのリズムみたいのが合わないとやりづらいのかもしれない。
私は私で休憩時間にやりたい仕事があったりするからテキトーにやってたいんだけど、相方は私に休憩を取るよう迫ってきたりする。
相方としたら休憩を取らない私がウザイんだろーし(自分が休憩しにくいんかなぁ)私は休憩を強要されることがウザイ。

仕事の内容にしても、それぞれのやり方やリズムがあったりして、慣れてる人はそれが崩れるのが嫌だったりする。
わかるなぁ、私もそうゆうとこあるし。
でも逆にそうゆうことに神経使ってるのってどうなん?
私のことは放っといてくれていいから、みたいなイライラした気持ちにもなる。たぶんコレ全部お互いサマなんだろーけど。

だから一人も二人も夜勤はしんどい。
一人は逃げ場がなくリセットできずしんどい。
二人だと何かと楽で限界はこないけど、気疲れやストレスが大きい。
「も〜ぉ、ゆうべは一睡もできんかったわぁ!」とか「夜勤はホントに大変なんだけん!」といつもキレているおばさんが不思議でならない。
そんぐらい二人は楽なんだもん。

けどまぁやっぱり、夜は寝るもんだ。
そんなときに働いている人たちはしんどいと思う。
モノ相手ならまだしも、人間相手。
その相手が認知症高齢者で、意味もなくコールを連打してみたり、徘徊したりしようものなら、そりゃあやりきれないときもある。
だけど実感した。
質の高い仕事をする人とパートナーを組みたい。
夜勤先輩者が優先順位なんか関係ないスピード重視の仕事をする人だったりすると、なんか切なくなってくる。
先輩だと何も言えないけど心が痛いもん。
結局しんどいってことになる。

ただの足し算引き算じゃなくて、時間はかかっても方程式みたいなやり方がいい。
ある答えに行き着くまでにたくさんの過程があって、考えるの大変だけどわかったときに大切なものが身につくような。
答えなんかはないけど、いろんな可能性を考えながらひとつの課題にみんなで向っていきたい。

こないだ勢いで不満が爆発したことが、いろんなところに飛び火しているみたい。
シマッタ〜、かなり爆発したもんなぁ。
「口は災いのもと」はぁ、身に染みた。
やっぱり悪いことは言うもんじゃないなぁ…。

自分らしく介護

自分らしく介護は介護ヘルパーゆきちの介護日記です。


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