« 2006年06月19日 | Top2006年06月21日 »

最新記事【2006年06月20日】

私の大好きな主婦ヘルパーさんが今月で退職されるらしい。

高校生子供さんがおられるらしいけど、若々しくて可愛くて時にオモシロイ素敵な奥様。
専業主婦が長かったとのことで、純粋で何にも染まってない雰囲気。
毎日一緒に働いていて気持ちがイイ仲間。
悪口なんかはまず言わないし利用者さんにはもちろん優しい。気配りもさりげなく、そして細やか。
こんな人ドコに隠れてたんだぁってぐらいの、とびっきりの人材。
こうゆう人に介護されたらみんないつも笑顔で居れるよなぁ。そんな素敵な仲間が辞めてしまうなんて、私は相当のショックを受けた。

だけど退職理由は仕事に対してだから、解決するのは難しい。
メンタル面のサービスはピカイチだけど、介護の仕事の汚い部分や踏み込んだサービスに戸惑いがあれば、続けていくのは難しいのかもしれない。

私の考えは、個々のスタッフが得意分野で活躍して助け合って、トータル的に利用者さんに満足していただけるサービスができればいいと思う。
だけどそれはなかなか難しいし、後々問題になりかねない。
本人さんにもきっと精神的な負担になっていくだろーし。
悔しいけどもう引き止めることはできないんだなぁと納得した。

二人で昼食を取っていると「もうすぐ辞めちゃうけど心配なのはアナタだよ」と言われた。
独身の私が介護の仕事にゾッコンで、汚い仕事もあるから病気をもらったりしないかと心配らしい。
「汚い仕事を嫌がらずするのは素晴らしいけど、自分の身体をもっと大切にしてね。これから結婚して子供産まなくちゃいけないから、余計なモノは貰っちゃダメだよ」と言ってくれた。
こんな優しい言葉をかけてくださるなんて、すごく嬉しかった。
これから寂しくなるなぁ。
こんな素敵な人にはなかなか出会えない。
なんとか引き止めたかったな…。

今日もまたすっごく暑かったので、午後はみなさんのお部屋に伺ってエアコンをつけて廻った。
除湿にしてタイマーをかけておいた。
八十九十のみなさんは、エアコンには相当疎い。

シュンさんの部屋に行き「シュンさん暑くないですぅ?涼しくしましょーか?」
「お願いできる?でもね、つけるスイッチがないのよ。誰かが持ってったんだわ」
そんなハズないけどなぁ〜と探してみると、案の定枕元に置いてあった。
シュンさんが使ったんじゃ〜ん。
「シュンさんあったよぉ」
「あらっ、こんなとこにあったのね。私もダメねぇ」二人で笑いながらエアコンをつけた。
でも表情がなんか暗い。
「シュンさん、どっか具合悪いです?なんか元気がないよ。熱はないみたいだけど…」と額に触ってみた。シュンさんは脱水っぽい雰囲気だった。
「うーん、そうなの。なんか身体がダルイのよぉ」
「シュンさんお茶飲んでおられます?暑いけんお茶飲まんいけんですよね?」と元看護士のシュンさんのプライドを傷つけないようお話する。
「飲んでるんだけどねえ…」でもお部屋にお茶を飲まれた形跡はなかった。
暑い部屋で読書に没頭してしんどくなられたのかも。
「元気が出るように、熱いコーヒーでも煎れてきましょーか?」
シュンさんはニコっと「うん、お願い」コーヒーを持っていき飲んでもらった。

ケアマネに聞いてみたら、シュンさんはコーヒーが大好きだけど、もうひとつポカリが好きらしい。
さすが元看護士。
明日からはポカリを持って行こう。
みなさんが個室で脱水にならないよーに、毎日気を配らなきゃな。なんか仕事してるって気がして、やる気がふつふつと湧いてきた。

帰りぎわ、ヒロさんの入院決定の電話が入った。
明日からと急な連絡だった。
ヒロさんはこないだの受診後から、すでに入院の準備をしておられた。
タオルやらリハパンやらが袋に入っているので「コレお風呂の用意ですか?」と聞くと「いんやぁ、入院の準備だが」
「えっ?いつから?」
「それはわからんだども」何日も前から準備だけはしっかりしておられた。
家族に手間を取らせないよーにと、一人考えて揃えられたんだと思う。
ヒロさんらしい。
明日は入院前に顔を見に行こう。
当分会えないなんて寂しい。
もしかしたらもう会えないのかもしれないなぁ。
ヒロさんはすぐに善くなる状態ではないらしいし…。ヒロさんが善くなって帰ってきてくれることを、ただただ祈るしかできない。

もうすぐ29才、独身、貯金ナシ。

優しい彼氏がひとり。

介護の仕事に就いたキッカケは「稼ぎたいなら〇〇病院で介護したら?経験なくてもオムツ交換とかお風呂するだけだから、年寄りが苦手じゃないなら誰でもできる仕事だよ」友達からの話。

フリーターだった私は「それならヨユウじゃん」と問い合わせ、面接を難なくクリア。

そこで衝撃的な介護との出会い。

ベルトコンべアーにのせられた荷物のようなお年寄りの姿と、毎日向き合うようになった。

その中で介護のやり方に疑問を持ち、グループホームに転職。ここで介護の楽しみや課題を見つけた。

いまはヘルパーと介護職員の間のような、不思議なポジションの仕事をしている。

程よい距離感のあるいまの仕事を楽しんでいる。

社会人になって十年。

そのうちの半分、介護の仕事をしていることになる。

病院とグループホームで得たことは少なからず自信になり、これからも介護に関わって生きていきたいと思える。

認知症だった祖父、医者の手に負えないほどの癌と戦った祖父、検査入院中に医療ミスで亡くなった祖母、大切な三人の死を経験し何もできなかったことを後悔している。

そしていま施設入居中の祖母がいる。

介護をしていく上で家族から学ばせてもらったことは数知れず、これはいまの私の原動力となっている。

人生の大先輩の最後の時期に、少しでも携わらせていただけることはこれからも私の力になっていくと思う。

自分らしく介護

自分らしく介護は介護ヘルパーゆきちの介護日記です。


スポンサードリンク

介護更新履歴

介護最新のコメント

介護現場のひとコマ へのコメント。
  • そば
おばあちゃんと暮らした へのコメント。
  • そば
介護の仕事−介護仕事の人間関係 へのコメント。
  • しげさんへ ゆきちより part2
介護の仕事−介護仕事の人間関係 へのコメント。
  • しげ
介護の仕事−介護仕事の人間関係 へのコメント。
  • しげさんへ ゆきちより

ゆきちからのお知らせ