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最新記事【2006年06月09日】

今日のはじめのサービスはロンさんだった。

実は最近私はロンさんが苦手…なんかいやらしい。
エッチなおじいさんって感じならなんてことないけど、イヤラシくて気持ち悪い。掃除に入ってもなぁんか空気が違う。
こないだからお風呂のときは服を脱がせてほしいと甘えたり、身体を触ろうとしたりする。
配膳をしていてもニタニタと舐めるよーに見られてゾゾっとしてしまう。
ロンさんはここのところ「家に帰る」を連発。掃除中も何度も言っていた。
私は「息子さんが心配しなーけん、お話してからがいいんじゃない?」など返事をするが、ロンさん的には抱きついて「ヤダぁ」とでも言ってほしい様子。
帰りたい気持ちを紛らわすかのようにセクハラをしておられる、ように見える。

おばさんたちはベタベタしてロンさんの気持ちを満足させているけど、私のモットーは『触らせるのが仕事なら、介護なんか辞めてやる』だから、もちろんヘラヘラ触らせたりはしない。
帰りたいなら帰ってもらえばいい。
だけどそれまでの声掛けでなんとかしたい。
おばさんたちは「寂しいけん帰らんでよぉ」「私も連れて帰らんとダメぇ」とキャバ嬢なみのトークと腕組みや抱きついたりの密着で、ロンさんの里心を阻止する。
そんなやり方を繰り返すおばさんたちに、私は正直疑問を抱いている。

私が触らせないからなのか、ロンさんはなんやかんかとしつこく言って来られる。
「帰るけど新聞社に電話してあるか?」と言ったかと思えば「今日の新聞がなくなった」と部屋に呼んで探させる。
しかもか睨みながらの命令口調。
ふざけるなぁー。
ヘルパーや介護職員はメイドじゃないっつーの。
思い通りにならないから入居者とゆう権力を振りかざす。
正直イヤになった。
人間としての拒否反応。
結局は帰れないなら違うところで満足したいんだろう。
だけど、だからってニヤニヤしたじいさんにベタベタするのが正解なのぉ?
介護に正解はないからなんとも言えないけど、私はそんな仕事ならしたくない。

「私とデートしよっ」とフェロモンおばさんがロンさんを息子さんの店まで連れて行った。
大成功だった。
息子さんに会ったら「(ホームに)帰るわ」と早々に帰ったのだと言う。

私は明らかに介護職員として失格だったと思う。
不安な気持ちを救えなかったから。だけどお色気やメイドのような対応で解決する介護はしたくないし、できないとゆうのが本音。
なぜかと言うと、もともとの性格のクセみたいなところが見えてるから。
ロンさんはすごくいやらしくやり方がキタナイ。
その部分を私は好きになれないから、ロンさんの今日の姿に拒絶反応してしまったんだと思う。
介護するほうもされるほうも人間。
受け入れられる部分とそうでない部分があると思っている。
お色気で解決する仕事なら、どうかおばさんたちどんどん解決しちゃってください。
どんなに自己嫌悪に陥ろーとどう言われよーと私にはできないから、私は違うところで頑張ります。

午後の入浴。
シュウさんの介助をした。
しっかりとした可愛いおばあさんだけど、利用者さんのことやスタッフの内部事情に詳しいところがコワイ。
初めて入浴介助したときも、どこからか私が独身と聞いて「紹介したい人がいる」と見合い話を持って来られた。
今日もその話だった。「アンタ、いい人おるんでしょおがぁ。なんで嫁にもらってもらえんかね?」「嫁にだぁもらってござん彼とおったってダメだよ」「そうしちょー間に子供が産めん年になるよ」など耳の痛くなるアドバイスをいただいた。
あいたたぁ〜確かにそうだ。さすがだなぁ。
耳が痛いながらも、私のネタで楽しいお風呂だった。いくつになっても女は恋バナが好きだから。

今日は午前中だけの半日勤務。

こんな日はあまりないので、チャッチャと仕事をして帰ろーっと。

朝カズさんに買い物をお願いされていた。
今日はカズさんのお部屋掃除が入っているので、そのときに行きますねと話しておいた。
カズさんは仲居さんをしておられたとゆうチャキチャキのおばあさん。
ホームでも仕切り屋で勢いのあるの目立った存在。

おとなしいおばあさん達はカズさんと関わりたくないみたいなんだけど、接してみると優しくて可愛いおばあさんってことがよくわかる。
たまにワガママを言われたりもするけど、テキパキと何でもできる方だからたまには誰かに優しくしてもらいたんだと思う。
甘えたいのがすごくよくわかるから、なおさら可愛らしい。
そりゃあ甘えたいときもあるさ〜と見ていてよく感じる。

カズさんに必要なモノを聞きお金を預かり、近くのスーパーへ走った。
「カズさぁん、買ってきましたよ。今日は安くなってたよ」
「あら、なんぼだったかね?」希望の品が安かったことが嬉しかった様子で、一緒にレシートを見ながらお釣りの確認をしてもらった。
「掃除はなにかありませんか?ゴミは?」と聞くと「昨日も掃除してもらったけんキレイだわね。今日はいい。アンタお茶飲まんかね?」
時間がなかったので「また来させてもらいます」と答えると、菓子鉢からお菓子を何個かつかみ「ほんならコレ!」と無愛想に握らせてくれた。
人に優しくしてくれるとき、カズさんは照れ臭いのかぶっきらぼうな言い方をされる。
それがなんとも可愛らしい。
お礼を言うと「こっちこそありがと。お世話になったね」と恥ずかしそうに目をそらして言ってくれた。

昼になると「アンタ時間だけんもう上がるだわ」とおばさんヘルパーに声をかけてもらい、記録をして帰った。

家でゆっくりしていたけど、夕方はおばさんヘルパーから電話がかかってきた。

しかも二人から。
何かしでかしてしまったのかとビクビクして出ると、なんてことはない勤務交替のお願いと、愚痴。
今日の午後は相性の悪いおばさん二人が一緒だった。
私がいなかったのでそのときの話を聞いてほしかったらしい。
おばさんヘルパーは何人もいるけど、みんながそれぞれ仲が悪い。

私はいまのところそれぞれのおばさんに、それなりに大事にされている。
でもそれはそれでかなり辛い。
おばさんって側近みたいな手下みたいな存在を欲しがる生き物だと思う。
味方を作りたくてしょうがないらしい。
だからそれぞれによくしてもらっても、その人たちが仲悪いと私はそこで困惑してしまう。
どっちの味方でもないし、私は側近になんてなりたくないもん。
仕事しやすいおばさんは頼りにしてるけど、人間関係を深めたいとは思わない。
どっちかとゆうと程よいところで一人淡々と仕事をしてるのが好き。
でもこれが一番難しいんだよなぁ。おばさんの愚痴を聞いてしまうと必然的に味方になってしまって、それはもう一方の敵になってしまうことだから、考えるだけで恐ろしいよぉ。
でもおばさんが愚痴を言ったあと「やっぱアンタと仕事するのがやりやすくていいわ。声聞いて元気が出たわ」な〜んて言われれば悪い気はしない。
それもおばさん特有の作戦なのかもしれないけど、それを見抜くほど大人じゃないしなぁ。

介護の仕事をしていて、認知症の方と関わってるときに上司に言われたことがある。
「女優になってその人の求める相手になってあげればいい」とか「嘘も方便。嘘はよくないけどその嘘で安心されるなら、それは嘘じゃないんじゃないかな」とか「相手は嘘とわかってても、自分の世界に一緒にいてくれるその気持ちを感じて安心される」とか。
その時によりけりだけど女優にならなきゃいけないときはたくさんある。

利用者さんと接していて少しずつわかってきた。
だって「ごはん食べてない」と言う認知症の方に「さっき食べたでしょ!」と言ったところで何も解決しない。
食べてないと思い込んでいるなら否定せずに、気持ちを違う方向にむけるような声掛けをするほうがうまくいく。
「息子が来ない」と言われれば「もう少ししてから来るってさっき連絡があったよ」と安心してもらえるような返事をする。
そんなぐあいに嘘をうまく使って、相手の世界を壊さない声掛けが必要と思う。
だけどこれってもしかして、おばさんたちに対しても必要な術なのかも。
そうしなきゃうまくやっていけないのかもしれない。
おばさん達のスゴイ世界を見ると、本当の自分でいたら危険だなぁとよく思う。
だからイイコちゃんしてるんだけど。

みんな声を揃えて言うけど、女の職場は本当に恐ろしい。
そこでうまくやっていくには『女優魂』かなぁ。
だけどどこにいても素でいれないのは、けっこうしんどい。
介護はタフじゃなきゃできないっての、こうゆうことかぁ?

自分らしく介護

自分らしく介護は介護ヘルパーゆきちの介護日記です。


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