介護現場のひとコマ
今日は久々の仕事だった。
珍しくかなりの連休を取っていたので、正直なところもう仕事行くのダルイなぁって感じになっていた。
恐る恐る会社へ行くとなんてことはない「あー、久しぶりだねー」と優しい言葉をかけてもらい、ホッとして仕事に入れた。
もう一つ心配なことが…利用者さんに忘れられてしまったんじゃないだろーか。
そしたら寂しいなぁ。
廊下を歩いていると食堂にいたおばあちゃんたちが私を見つけ「あらっ」って感じに手を振ってくださった。
嬉しいぃ〜。よかったぁ。
大好きなキクさんに「お久しぶりです〜」と挨拶すると「まぁ奥さん、お久しぶりやねぇ。そういえば奥さんの顔見んかったね〜。まぁ〜久しぶりだわぁ」とお互いに手を取り合い、まるで感動の再会のようだった。
ヒロコさんのお部屋に伺ったとき「ヒロコさぁん、お久しぶりです〜」目の不自由なヒロコさんは「はぁ?誰?…あらっ、アンタぁ〜何しとったかねー。最近ずっと来らんでぇ。辞めたのかと思ったがねぇ」めちゃくちゃ嬉しいリアクションだった。
「ちょっと用事があってお休みしてたんです。ヒロコさん元気だった?」
「元気って、まあこんなもんだわね。アンタ用事って…まさかいい話かね?結婚式だったかね?」
嬉しそうな満面の笑みで言われる。
「違いますよぉ。そんないい話ならヒロコさんに真っ先に報告しに来るもん。残念ながらただの用事でした」
「そげかね〜。てっきり彼氏とお出かけだと思ったわ」ちょっと残念そうに言うヒロコさんがおかしかった。
こんな感じで、行く先々でみなさんから「この休みはいい話だったかね?」
「結婚したかね?」と言われ、逆に何もなくて申し訳ない気持ちになってしまった。
『行かず後家』でゴメンナサイ。
みなさんの、家族のようなこの優しい対応に、本当に幸せを噛み締めた。
私はなんて幸せなんだろう。笑顔で仕事をがんばろーって、また強く思った。
ほんで、早くいい話の報告できるようにがんばろう。
でも、こればっかりはがんばってもどうしようもないんだけど…。