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最新記事【2006年11月08日】

私の職場はまだ新しいため、毎月入居者さんが3〜4人新しく入られる。

先月末から数日おきに入られるので休みを取ったりしようものなら、誰が誰で、誰が車椅子で杖歩行でって訳がわからなくなってしまう。

基本的に短時間のヘルパーさんは新しい入居者さんを避けることが多い(気がする)。
慣れてないこともあってか、当たらず触らず…いや、触れようとしない。
そうなると長時間いる私はけっこう大変…。

まず時間作って引っ越しの片付けや掃除。
お話をしながらどんなかたなのか、何が好きなのかいろいろと探ってみる。
前情報がほとんどないって人が多いので(サマリーとかちゃんと書いてよ、手抜き書類多すぎるよっ!)けっこう貴重な情報や性格を知ることができる。
それはすっごくいいんだけど、なかなか後に続いてくれる仲間がいないんだよなぁ〜。
だからヘルパーさんいるから大丈夫だなって現場を離れてると、あっあの人忘れられてるぅーみたいな感じで、慌てて様子見に行ったりして。
なんかアタシだけ忙しくないっ?みたいな気分になって、すごくイヤな女になってしまう。
もちろんみなさん忙しくやってるのわかってんだけど、新しい人への気配りが欲しいっつうか。
やっぱり気にかけてもらいたい。

少し前に入られたエリさんも初めの訪問が効いたのか、何かと私への用事が多い。
車椅子使用だけどほぼ自立。
入浴以外は何でも一人でこなされるおばあちゃん。
少し前まではシルバーカーを使用されていたとのことで、私は歩行練習をしたくて仕方がない。
エリさんも「最近歩かんで足が弱ったみたい。歩く練習せんと…」と前向きな気持ちはある。
でもやっぱり周りの環境や生活の変化があるためか「ねぇアンタ、アレ取ってくれん?」
「コレ移動しといてよぉ」とビックリするぐらい「お願い」が多くなってきた。
こりゃあイカン。もう入られてずいぶん経った。そろそろ行かねば…。

私は時間を見つけてはエリさんのお部屋へ行き、廊下をシルバーカーで歩いててみましょうと何度も誘うようにした。
毎回歩いてくれることはないけれど「そうだねぇ、歩いてみるわ。アンタ傍におってよ」と成功することもある。
一番初めに廊下歩行の約束をしていた日、私が行けずおばさんヘルパーが歩行練習に付き合った。
エリさんと私の約束では「廊下を少し歩いてみる。調子が良ければ一階まで降りてみる」だったけれど、おばさんは「大丈夫大丈夫」と半ば強引にエリさんを一階まで連れて行ったらしい。
気持ちを無視されたエリさんは「初めてだけん廊下だけのつもりだったのに、無理に下まで歩かされた。足が痛くなった」とご立腹で、その後何日も歩くことはなかった。
けれどおばさんは「初めてなのに一階まで歩かれたよー」と上司の前で猛烈アピール。
かなり偉そうな口振りだった。
私の怒りは言うまでもない。
ああ〜っ、失敗してしまったぁ。
コイツに任せた私がバカだった…。

その後私は何日もかけてフォローした。
足が痛いと言われれば湿布を貼り、こないだの愚痴を何度も聞いた。
「ごめんなさい。私が約束してたのに。無理させてしまったね。これからは無理せずにゆっくりゆっくりやりましょう」少しずつでも気持ちを前向きにと思い、時間をかけて話をしていくと「足が良くなったけん、また歩いてみるわ」といまの状況まで取り戻した。

私はおばさんヘルパーにエリさんの歩行練習を申し送るのが不安でたまらない。
おばさんはエリさんの状態よりも、自分の手柄やアピール材料のほうが大事な気がする。(もちろんそうじゃないおばさんもいっぱいいるけど)だからいまのところ私ひとりでやっている。
いつになったら振っていこうか迷ってるところ。

いまはエリさんのように、毎日の何気ない関わりがすごく大事な結果になるだろうってゆうかたが多い。ひとりひとりのいまの生活やこの先を一緒に考えるのは本当に大変でもちろん責任もある。
だから日々流れ作業をモットーとするおばさんは、正直必要ない気がしてしまう。
強いおばさんに「使い物にならん」と斬られてるような、ゆっくりで優しいヘルパーさんがすごくすごく大きな成果を出してくれる気がする。
だから私もそんな優しいヘルパーさんのように「お年寄り時間」に歩幅を合わせてやっていけるヘルパーでいたい。

自分らしく介護

自分らしく介護は介護ヘルパーゆきちの介護日記です。


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